2013年12月10日火曜日

ウクライナ リヴィウに冷戦直後の残像を見た(ハプスブルグの面影を求めて:その3)


 リヴィウの旧市街に入る古い建物、モスクワやサンクトペテルスブルグとは、明らかに違っていた。

 むしろ、冷戦後、初めて訪ねた時のプラハに似ていた。

今のプラハからは想像もできない、モノトーンの世界。ほの暗さ。

ただ、プラハと違ったのは、土の香りと、住民が入れ変わった街並みが不思議な雰囲気であった。
 
バスの運ちゃんが手振りで目的地のある大通りを教えてくれた。礼をいい降りると、雑然とした雰囲気、どこかアジアのようでもある。

美しい娘たちもいれば、元娘たちも沢山。男たちは酒が好きな連中が多いのか少し赤ら顔が目立っていた。

さて、この町に一体何が待ち受けてるのだろうか。


ホテルジョージア

国際サッカー大会(EUEO2012)で整備されたであろう、辻に立つ地図を元に「ホテルジョージア」に何となくたどり着く。

高い天井のロビーにアールヌーボー調の階段、贅沢な作りとわかる。






気の強そうな美しい感じ受付嬢。クリアな英語だった









ソ連製のエレベーター、部屋には年代物のブラウン管テレビ。

クラシカルでシンプルな部屋も気に入った。2泊じゃもったいない。


町を歩けば、人でごった返している。ツーリストインフォメーションは18時迄でもう閉まっていた。


キュートな民族衣装


 留学時代のウクライナの友人は、スタイル維持には徹底していた。
お肉は「チキン」だけと言っていた。道理でウエストが細い訳か・・・
民族衣装を着ていればさぞかしお似合いだろう...

さて、どうするか。

受付嬢にもらった英語とウクライナ語の地図を手に町をぶらぶらして見る。


リヴィウのオペラハウス

 オペラハウスに飛び込んでみる。折よく、バレエのチケットが手に入る。
一番安い500円相当の席だった。

劇場内部を見るだけでも価値がある。ハプスブルグ時代に建てられたものらしい。




くすんだ濃紅と金めっき装飾の鈍い輝き。金ピカとも、いぶし銀とも違う、静かに心燃えあがる情熱の証だろうか・・・




バレエ自体も美しく、調和の取れた演出だ。ソ連時代の伝統が生きているのだろう。




ライティングは設備が今一なのか、少しずれていた気がしたが、それでもプリマドンナに惚れ惚れした。

久しぶりのバレエ鑑賞、数えれば20年振りだった。


重厚な劇場は社会主義時代も大切にされてきたのだろう


自分の知らなかったウクライナ。 宝石箱を見つけた気がした。

終演後、再び町に戻る。

夜の街角からジャズの演奏、フォークソングの歌声が聞こえてきたり・・・ほの暗い町にはマイペースに人生を楽しむ人々の姿が確かに有った。 




筆者も「止まり木」を求めてリヴィウの町を彷徨った(続く)

(2013/12/10記)


「お気に召したら」クリックお願いします


ウクライナ(海外生活・情報) ブログランキングへ

0 件のコメント: