2014年4月10日木曜日

イギリス嘘つき学生検挙ランキングと日本の科学研究競争のダークサイドを考える

 インチキ論文や剽窃を延々とウオッチするサイトl というロンドン在住の人の記事の中を見ると、イギリスでもコピペを見つける努力は大変らしい事が判った。テレグラフ紙によるイギリスの大学毎の嘘つき学生検挙ランキングのリンクも有り、Birkbeckでもバレている人がいるのが判る。桁違いの学校も有るので、そういった学校の評判は留学前にチェックにしておくのがよいだろう。
 
 日本でも一般学生の熾烈なコピペ競争がなされているのであろうが、科学技術競争でも同じなのか。その背景を考えてみる必要もある。何かを急がねばならないのかもしれない。日本の科学研究競争のダークサイドはどうなのだろうかと調べてみる。

我が国における重大な研究不正の傾向・特徴を探ると2013年に警告を発している論文もでていた。

 ここでは、身近に感じた日本の科学研究競争のダークサイドの事を振り返ってみたい。

 以前に、2012/10/27に 「危険なふたり という投稿で、日本人の研究者たちがロンドンのラーメン屋で交わしていた会話について書いた。

 彼らは山中伸弥教授(京都大)の悪口を大声で話していた。その時の印象を『何よりも言葉の節々にある「見下し口調&万能感」に垣間見える強烈な劣等感がおぞましく思える。このような研究者に国費(=税金)を投入してモノになるのか、倫理的な問題は大丈夫かと懸念する。』といった事を書いた。

 昨今の「STAP論文」騒動は、京都大の山中伸弥教授サイドと理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長サイドとの間にある研究競争の負の一面だったかもしれないと改めて思う。 いささか子供じみたエピソードが新聞記事にあった。

  毎日新聞 2014年04月03日 東京朝刊の『崩壊・STAP論文:/中 ゆがんだ研究競争 有名誌への掲載、過度に重視』に下記の様な記載が有った。下記に引用したので見て欲しい。
 ありていに言えば、競争心の余り、笹井氏が山中氏を無意識に貶めようとして子供じみた演出をプレゼンテーションに用いて山中氏から抗議を受けお詫びするにいたった顛末であるジョークでお互いに済まされる関係では無い、ということだった。


 この記事と2012年にロンドンのラーメン屋で何気なく聞いた会話から考えると、日本の研究体制の中で激しい対抗意識(ないし予算)を巡る暗闘が有る事が窺われる。
 研究競争が切磋琢磨となればよいが、足の引っ張り合いをしているうちに電機業界の様に他国から隙を狙われない様にしなければならない。
 なんといっても、大量の税金が投入されている研究機関には説明義務と不正防止、国益の失墜を防ぐ事、そしてマッドサイエンティストの出現を防ぐ事も考えねばならない。

 出来るからと言って、半分人間、半分山羊の、ギリシャ神話のサテュロスのようなものを作られてしまったら、まさしく神話が警告する所の「欲の象徴」になってしまうからだ・・・
 SFやアニメの世界ではないが、訳の判らない研究をして取り返しのつかない事になってもらっては困る。
 選挙のある政治と違い、研究機関・監督省庁(文部科学省)の責任者を選挙で選んでいる訳ではないので、打ち手が難しい。

毎日新聞 2014年04月03日 東京朝刊の当該記事の重要部分を参考までに長くなるが引用する。
----------------------------------------

 この「IF至上主義」が科学界に広がって研究現場をゆがめる一因となっているほか、STAP細胞研究を含む「再生医学研究」分野特有の事情もある。
 京都大の山中伸弥教授がヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製に成功したと「セル」に発表した07年以降、政府は再生医学・医療分野の研究費をiPS細胞研究に集中し始めた。安倍政権は昨年、この分野に今後10年間で1100億円の国費を投入すると表明。これらの研究費はiPS細胞研究への投入が柱となり、実用化を推進する関連法も整備された。ある発生生物学研究者は「iPS関連でなければ予算がつきにくくなった」とこぼす。
 STAP細胞論文の責任著者の一人で、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長は、日本が誇る胚性幹細胞(ES細胞)研究の第一人者だ。笹井氏をよく知る理研関係者は「iPS細胞への対抗心が強い笹井先生にとって、今回は巻き返す魅力的な機会に映ったのではないか」。
 論文を発表した1月末、理研は記者会見で配った補足資料に、作製期間の違いを強調するため、STAP細胞は魔法使いが作り、iPS細胞は牛が人を引っ張るイラストを添えた。この資料に山中教授は「iPS細胞の作製は大幅に改善されている」と猛反発。複数の関係者によると、2月中旬にこんなことがあった。
 笹井氏が山中教授を訪れ、他の研究者が見守る中、「申し訳ありません」と繰り返したという。そして、STAP細胞論文の不正が濃厚となっていた3月18日、理研は「誤解を招く表現があった」と、この資料を撤回することになった。(引用終わり 下線筆者追加)
-----------------------------------------------------
文部科学省を遠望



文部大臣の旧執務室(霞が関)
文科省の現大臣も困っているだろうが、歴代の文部大臣も黄泉の国でどんな事を話し合っているのだろうか?

(2014/04/10記)
海外生活ブログ 海外留学(ヨーロッパ) 

0 件のコメント: