2013年10月14日月曜日

再利用しにくい日本語の論文PDFとプレージャリズム(盗用)の件

世界中の多くの学術論文がPDF化され、各種データベースにアップロードされている

例えば海外であればJSTOR, 日本のものであればCiNiiといったところだ

英語圏と日本語圏の論文データベースサイトの考え方に違いがあるようだ

英語圏

 ・原則有償(自大学のサイト経由で無償になる事が多い=実際は、授業料に包含)
 ・ダウンロードしたPDFからのコピペは可能

日本語圏

 ・無償だが大学・学部単位での開示が多いので、一元検索でチェックできないケースがある
 ・PDFファイルには「保護」がかかっており、コピペはおろかアンダーラインすら引けない
   
  (ちなみに、保護されたPDFを活用する方法はこちら

 英語プラットフォーム環境の使用人数の差はあるとしても、引用の利便性(再利用度)では英語圏のデータベースが優位に立つだろう。

 ルールに従った引用をしようとしても、論文の該当部分を目視しながら、再インプットするのは相当、やる気をなくす作業だ(苦笑)。 

 筆者はオリジナル文章とパラフレーズを行ったリストを作っていたが・・・ルールは守るので作業効率は上げさせてほしいものだ。
 


 なぜ、日本語論文のPDF開示時に「保護」を厳しくしているのだろうか? 大学生のコピペ横行やプレイジャリズム(剽窃) plagiarismへの理解が根付いていない事に起因するのか。

 このプレイジャリズム(一種の盗用)への指導は、イギリスの大学での各種ガイダンスではしつこい位に説明がある。よほど、蔓延しているのか、誘惑が強いのか??

   こんなページまでありました・・・



 Birkbeckでは、授業課題の論文を紙ベース提出のほか、データベース上(Moodle)にアップロードする必要があった。この中に剽窃解析を行うソフトウェアでのチェック機能が組み込まれている。 

 同じ寮にいた違うカレッジのインド人が、そのチェックに引っかかり、ある単位を落としていた。どうやら、引用元を記載しない部分が論文のあちこちに見受けられた、ということだったようだ。 

  

 ビジネスの世界でも、剽窃はいろいろある。

 前職で経験したが、筆者が作成した文章の署名だけ消したものを転送している同僚が居た。「あたかも自分の成果・オリジナル」と見せかけたメールやマニュアルの類が自分のところに再転送されてくると、実に残念な気持ちになるものであった。

 「オリジナルを尊重しない」「コピーはタダ」という知的財産への教育が不徹底だからかもしれない。引用元を尊重しない傾向は、中国(新幹線のケースなどもそうだが)や韓国でも似たようなことが起こっているので、日本だけの問題ではないのかもしれない。

 
 結局、署名が無くコピーされただけものは、コピーされることによって市場から駆逐されていくのではあるが、そのプロセスで「オリジナル」も 潰えてしまうのでたまったものではない。

 引用した旨の表示や必要な対価を払った上でさらなる付加価値を生む事がアカデミアであれビジネスであれ、王道と考えるがどうだろうか。


(2013/10/14記)

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