2014年8月1日金曜日

国境免税のカラクリ(ハプスブルグの面影を求めて:その15)

 バスはスロバキア側の検問所の手前でUターンし駐車場に停車した。

国境では写真撮影は制約が多い

 バスの客も、国境で一緒にヒッチハイクした兄ちゃんたちも一斉に駆け出して行った。

ウクライナとスロバキアの間には、免税店がある、皆、それがお目当てだった。

    車だけの国境、という事情の一端が読めて来た。歩きでいいなら、近隣から来て混雑してしまうからかもしれなかった。
   さっきの兄ちゃん達は、スロバキアに住んでいるのだろう。


   バスの中は自分独りだった。いつバスが出発するかもよく分からない。 国境線上で取り残されるのは絶対にマズい。

   ドヤドヤと人々が戻ってきた。30分位は居たのであろうか。バスはノロノロとようやく、スロバキア側の検問所に移動した。

 係員が再びパスポートを回収していく。そして全員が降ろされ、X線検査機のある別室に移動した。銃器の密輸を防ぐ為だろうか。麻薬を探す犬たちもいたようだ。

ウクライナ産ビールは持っていたが、本当は免税店でウォッカが欲しかった・・


  列に並ぶと老婆がウォッカの瓶を手渡し「○×△□oooooOOO」と言ってきた。他の人は1本ずつ持っているので、規則を超えて買ってきたものを税金払わないで済まそうとしているようだった。
    「言葉も通じない独りだけいる東洋人に預けるかいな??」と思って英語で、「責任持てないよ」と何回かジェスチャー混じりで断わったら分かったらしく、他の老人に頼んでいた。皆大笑いだった。係員はいないので、まあいいけどユル過ぎる。

スロバキアナンバーのバスでスロバキア国籍の人々は比較的簡単な扱いのようだった。。しかしウクライナナンバーの車では荷物を全部だし、トランク内も開けられ麻薬捜査犬も鋭い目つきで越境者をチェックする

   ドイツの肝いりで国境管理システムが導入されたと聞いている。 シュンゲンエリア外のあらゆるリスクをここでブロックしなければ、EU圏が混乱に陥る。


美しい空には国境は無かった

    しかし、国境とは何だろう、といつも考えさせられる。

    なぜなら、物理的に生まれた距離が違うだけで、同じ民族的ルーツをもっていたとしても法的に持つ権利がことなってしまう可能性があるからだ。

   そんなことを考えながらバスに戻った。

   さて、スロバキア側の国境で接続するバスはきちんと乗れるのだろうか? ある考えが閃いた!(続く)


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