2012年11月28日水曜日

騒音につける特効薬(効果的なクレーム)はあるのか?

[抗議の英語] ブログ村キーワード
 学生寮で困るのは騒音であろう。特に深夜、論文等を考えている際はなおさらだ。

 大学院専用の寮でも、Facebookのクローズグループ内に「ルームNo.XXXの奴、早朝深夜に飛び跳ねる物音がうるさい」と名指しして投稿が出るくらいであるから、学部生主体でパーティーキッズが集う寮に居たら、気が狂っていたかもしれない(その割には騒音の中でも平然と寝ているとの友人評有り)。


 以前、冗談半分(向かい三軒壁一枚 (学生寮事情) )で書いたが、隣人(女性)の深夜スカイプには辟易していた。この隣人は興奮してくると声が大きくなる。此方も、ガンガンたたいて、万が一、部屋違いだったら困るし、相手が女性なので妙な展開になっても困る(笑)。生活時間帯が違うのか、本人が学校に行っていないのか、2ヶ月間で1度しか顔を合わせた事が無い。諍いに巻き込まれても困る。その隣人にどう伝えたらよいものか。余り殺伐としたくないし、スカイプ以外は問題が無いので部屋を移りたくもない。


 ここは紳士の国らしく「手紙作戦」で行くことにした。「周囲の騒音源を探しているので協力してほしい」というスタイルにまとめた。本人が騒音源なら少しは考えるだろう。感情的にならずに「ルール違反であること」「続けば寮の責任者に通告する」この2点を明確にした。



文面はこのような感じ


Dear neighbours


I seek someone who sometimes does talk or Skype midnight.


Once someone talked loudly at around 3 AM (at the end of October).


According to Warden. the Hall has a quiet period between 23.00 and 7.00 when sound created in one room (such as listening to music or a telephone/Skype conversation) SHOULD NOT BE AUDIBLE to a resident in another room.


If you know something please let me know.


I will talk to Warden if this condition is continuing .


Thank you for cooperation


注:Warden=寮長


私の彼女曰く、「単に寮のルールを知らないだけかも」というので、まずは隣人が夜中エキサイトしている最中にドアの下から手紙を差し入れた。ほどなくして声が止んだ。


 暫く平穏の時が過ぎた...どうやら薬が効いたらしい・・・




 しかし、平和は長く続かなかった


 次の週末、今度は目の前にある週単位の貸アパートで、夜中の3時まで歌を歌う集団が出現。狭いベランダ上で肩を組んでダンスまでしていた。この寒い中、ご苦労な事です。


 しかし、モグラたたきのように騒音源が増えるのは困ったものだ。アパートの管理会社にメールで連絡したところ、「すいません。その人たちは週末だけの滞在なので、彼らが騒がない事を祈願しています」という冴えない返事が来る始末であった。


 隣人も暫くして、ダンス集団に触発されたのか、興奮したスカイプタイムを再開してしまった。この手の薬の賞味期限は1週間なのかとがっくり。


 やむなく、寮の管理部門に対し、隣人に警告するよう依頼した。寮長(管理部門のトップ)が隣人と話し合いを持ったみたいで、それからはようやく深夜のスカイプは静かになった。こうなれば煩くなった度に、報告等するしかないだろう。


 論文に集中する時期にやられるのは困るので、本格的な防衛に出たというわけだ。

 防衛は感情的にならず冷静かつ徹底的に行わなければいけないのは、国家も個人も一緒なのだと、一人ごちながらウォッカをあおるのであった。


今回のウオッカは、カザフスタン産の「雪の女王」





 Sohoをフラフラしていて酒屋に入った所、試飲をしたおり、ついつい入手した一品。先日、寮友のラトビア独立記念日(11/18※)を祝うのにロシア産ではまずかろうと、これを差し入れた所、ラトビア人のみならずインド人の兄ちゃんもガンガンと一気飲みしていた。翌朝、飲みすぎて辛い・・とがぶ飲みしていた友人は皆、ぐったりした様子。これは雪の女王のマジックか? はたまたウォッカに何かの「薬」が入っていたのか・・・(んなことはないと思いますが)。



 ※ラトビアはロシア支配下にあったが、19181118日に独立、1940年からソ連占領、1991年に独立回復。ソ連占領までは、旧帝国陸軍とラトビア・エストニア陸軍は協力して対ソ情報を交換していた(その後の亡命政府系の将校とも情報交換をしていたようだ)。このあたりの経緯はムーミンの翻訳者でもある小野寺百合子著「バルト海のほとりにて」が面白い。また、日露戦争時、ロシアバルチック艦隊はリバウ(現リエパーヤ)から出撃しており、ラトビアとは意外な歴史上の接点が有るのだ。

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(2012/11/28記)

2012年11月22日木曜日

むき出しの物欲にアダムスミスの夢を見る





学校までのバスは2系統あり、一つはオックスフォードストリート(Oxford street)を通り学校の傍まで到達する、もう一つは、Marylebone streetを通るが少し歩かねばならない。最初のうちはオックスフォードストリート経由のバスに乗り2階に陣取って、道ゆく人を観察していた。





オックスフォードストリートは、さながら世界中から物欲だけを取り出して、ひっくり返したような雑踏だ。 上野のアメ横まで行かないものの、両手に持ち切れないほど買い物袋を持っている人々の多いこと。



特にプリマーク(衣料品が安い ユニクロの比ではないと思う)に入ると、高度成長期の日本のデパートの様にごった返している。裸足かつパンツ一枚で来ても、多分50ポンドあればとりあえずのコーディネートは完成できそうな位に安い。 全体の品質は良く判らないが、試しに買ってみた何回洗っても色落ちし続けるウォッシュタオ(3枚2.5ポンド)を見た限りは、限りなく宜しくないのかもしれない()

それでも店の周りには、袋を持ってあてどなく座っている人々がたくさんいる。2階からみていると通り全体が、砂糖の周りに群がる蟻の行列の様にも見えてくる。平面に居る限り、ビルの上から立ち止まって見ているのとも違う景色だ。

毎日この風景を見ていると、化学調味料てんこ盛りのカップラーメンを食べた後の様に気分が悪くなってくる。後味の悪い夢から覚めた後は、Marylebone street経由のバスに乗ることが多くなった。
   また、見かけ倒しの料理・食品が多いのも、イギリスの特徴である。 調味料すら使わず、味が平べったい、あるいは味すらないものも多い(塩コショウで自分なり味を付けるということらしいが)。

   例えば、「ソーセージ」と呼んでいる代物は肉以外に小麦粉(と得体のしれない物)を混ぜているので、何を食べているのか時々、判らない事がある。 これはロシアで食べた「ハンバーグ(見かけは普通だがレバー肉が使われている)」以来のショッキングな出来事であった。
   テスコの「Sushi」もとにかく不味い。米を使ったケーキの一種と考えればいいのかもしれないが、「ソーセージ」にしろ「Sushi」にしろ、姿は似ているので厄介だ。
   ケーキで思い出したが、ただ砂糖と小麦粉を混ぜたような代物にベリー系のソースがかかっているものも「ケーキ」と呼んでいるので注意が必要だ。ただ甘いだけで、こんなものを毎日食べれば病気になるだろう。 
昔学んだ「揺りかごから墓場まで」の最後の砦であるNHS(国民皆保険)が制度として整っていても医療費抑制のインセンティブが働かず、本当は製薬会社が儲かるためのシステムに変容しているのではないかと疑いたくなる。
この国がアダム・スミスの祖国であることを思い知らされる。騙すのも騙されるのも自由である剥き出しの資本主義の一面をかいま見た感じだ。では日本が良いかと言えば、それは判らない。幼稚園受験塾に始まって葬儀ビジネスに終わるという、もう少し巧妙(特に人の不安を掻き立てる)なシステムの真っただ中にいるのだから。

本文が余りにも堅い結末になったのでこちらは柔らかく・・・

   オックスフォードストリートにどうやら、「ZARA」が出来るらしいのだが、かれこれ2か月、外からは全く分からない状況が続いている。 怪しい犬のイラストが壁面に書かれているからだ。このワンコの表情、「これでいいのだ」という赤塚不二夫みたいな、とびきりの笑顔なのだ。さては食べすぎた「まがいもの」を放出した後だったのかな???


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(2012/11/21記)


2012年11月15日木曜日

ロンドンでのSushi、ラーメン等(独断と偏見)

寮と大学の往復の日々、味の無いイギリスの食事に
辟易することもしばしば、さて、どうするか・・・

たまに手軽な持帰り系Sushiやらラーメンを
試すことにしている。


独断と偏見でランク付け。
同じ店だからと言って何でも旨い訳では無いのは注意!

(1ポンド130円とした場合

 総じて日本の1.32倍を投じて食すことになる)


★=金をドブに捨てた感じ

★★★=日本でも食べられるレベル

★★★★★=日本でも売れると予想

イタリックの店は日本人経営
(その他は中国or韓国資本等と考えた方が良い)

住所無い所はチェーン店 or スーパー


味噌ラーメン

            Ittenbari  ★★★★★  ムール貝の出汁は出色!

                        84 Brewer Street  London, W1F 9UB

                        http://ittenbari.co.uk/

                       

            Waga-mama   ★★☆☆☆  味が無い!
           (野菜ストックのスープがあるので
            イスラム教徒と行く位にしか使えない)

持帰りSushi

      Tesco       (持ち帰り)論外!  コメがパサパサ

      Sainsbury   (持ち帰り)★★☆☆☆ 賞味期限に注意

      M&S         (持ち帰り)★★☆☆☆ Tescoよりは旨い

      Yo-sushi    (持帰/回転)★★☆☆☆ 
            わざわざ入るべきでない
                  カツカレーは酢飯
                  どら焼き等も売ってる
                  回転寿司の実物を人に
                  見せる位の存在感


      Wasabi     (持帰/Eat in ★★★☆☆

                  Yo-Sushiよりずっといい
          ビクトリア駅構内に出店有り
          街中にも結構見かける
      Yoobi       (持帰/Eat in ★★★☆☆
            店内のスタイリッシュさは◎
             何でも、ロンドンで一番最初の
            手巻き寿司屋だそうです。  
                  38 Lexington Street Soho
    
                   www.loveyoobi.com/

お弁当

See  Sushi  ★★★☆☆
   チキンカツ(上品な盛付け・味付よい、
            カレーソースがかかってる。
            但し味噌汁は×)
                                      4d Praed Street, Paddington, London, W2 1JX
                      http://www.seesushi.com/contact

            Wasabi    未トライ
                    (唐揚げ弁当は只のフライドチキン

                      だったとの友人の中国人の声あり)

 カツカレー

            Japanese Canteen ★☆☆☆☆  キノコ入り。
            平板な味(缶詰?)

                           カツもいまいち。


      Yo-sushi           ★☆☆☆☆
          酢飯(手抜き!)
          カツを揚げる時、温度計で
          チェックしたが、切って赤みが
          残っていたので再度揚げていたのを
          見逃さなかった(笑)

           Ittenbari          ★★☆☆☆  可も無く不可もなし。



番外1:オーガニック系の軽食
  
     化学調味料の味が嫌になった時のために

Planet Organic 22 Torrington Place WC1E 7HJ 

サラダバー  ★★★☆☆

上品な味付けのお菓子&おつまみが良い(Organic  Almonds Sour Cream & Onionはお勧め )
                    「10%の学割有り=レジ時に学生証を見せること(2013/3/1追記)」

          但し、「TANPOPO SUSHI」ブランドの寿司は最悪、注意!

番外2  オックスフォードの日本食

            Oxford: Edamame

15 Holywell Street Oxford OX1 3SA

                  http://www.edamame.co.uk/          

       ★★★☆☆ 

      日本人の奥様と温厚なイギリス人の旦那さんが切盛り。

      定食は素朴な家庭料理風。カレーは現地産のキノコ入り。

      ラーメンは具沢山だった記憶あり。

      昼は行列。日本人以外の客も多い。

                未体験だが曜日限定で寿司の日有。夏季休暇等有るので

                 営業日はWeb等での事前チェックが吉。
本文と全く関係ないが、終わったというのに
寮の廊下に、忘れ去られたハロウィン風船が佇んでいた・・
街中は、クリスマス商戦に向かってます!
(2012/11/15記)
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2012年11月7日水曜日

授業(レクチャー&セミナー)の日英比較

 

「留学までの道のり」についてはネット上でも本でも情報があるのだが、実際の授業について、特に「歴史学をどう学ぶのか」という情報が少なかった。また、結論から言えば、日本語で学ぶ過程でも議論を重視し論文課題をこなしたうえで、「ディベート授業が主体の現地プレセッショナルかファウンデーションに通ってから現地の大学院に進学した方が良かった」のではないかというのが、今の率直な感想だ。これらの点は、予め学校選び等の際に突っ込んで確認したほうがよいかもしれない。

授業のシステムをイギリスと日本と比較して見ると以下の通り。

 この大学院では「歴史学をこの大学で学ぶ上でのフレームワーク」という必須科目が最初のレクチャーとセミナー(日本でいうゼミ)のセットで構成されている。
 教授一人ひとりの出身大学・専門分野・見解に相違はあるのであろうが、 この場で幾つかの大きな論点を提示・共有しようとするものだ。こうすれば、理解度の差はあれ、専門外の人間でも一通りのキーワード・概念は共有できる訳だ。 ひょっとすると、このアプローチは欧州各国の教育制度と学習プログラムのチューニング(調和)を図るプロジェクトと関連するのかもしれない。 

 日本での学部(経済学)時代に「縦串・横串」を指す体系紹介が提示されなかっただけに新鮮であった。当時は、理論経済学以外では相互の授業の連関は重視されていなかった。自分でストーリーを作りコーディネートする訓練は出来たが、一方で毎年同じ講義内容の退屈かつ一方的な授業があったことも事実だ。
 特にバブル期は「単位が取りやすい授業か否か (毎年同じテスト問題 or 出席重視)」が授業選択のトレンドで、論理力ではなく情報収集の訓練と化していた。天の邪鬼の筆者は、これが嫌で「論文テスト一発勝負」の授業を好んで取った。数学と語学と体育以外は、数冊関連書籍を一気に読破したうえでロジカルに作文すれば授業に出ずとも単位取得が出来た。その過程で自分なりの価値判断のヒントは得た訳で、過去問を覚えて直ぐ忘れるよりは良いだろう。さらにゼミや卒論は卒業の要件でなかったので、同じ学部でもこれらの選択如何により、全く異なる学生が量産されていた。 

 公務員や司法・会計士試験等に注力する場合には都合が良かったのだろうが、ゼミや論文が無いならば専門学校と何が異なるのかは、はなはだ疑問である。
 学生時代にゼミや論文に注力して本当に良かったと思っている。特に輪読形式でなく個人テーマ別でのゼミだった故に、プレゼンと議論主体で専門外の領域でも相手を論破する重要性を学んだ。個々人の感情とその思考を切り離し、存在を認め合う訓練にもなった。 何よりも、自分なりに知識の体系化を続けるきっかけを得た事は大きい。当時のゼミの指導教官(故 斎藤優教授)には感謝している。

 話がそれたので、イギリスの話に戻そう。

 レクチャーは階段教室で行われる。歴史を学ぶ上での共通の切り口をテーマ別(国家、革命、移民・・・)に、学部に所属する教授達が分担して教える(ここにセミナーを担当する各教授も皆出席)。その後、それぞれの専攻別(中世史、現代史、ジェンダー史・・・色々)に別れ、自分たちに関連する領域とテーマにあてはめ、セミナールームで議論を行うというスタイルになっている。
 セミナーでは、問題提起、質問や意見を述べ合い、議論を発展させる事が推奨されるが、意見収斂型の議論ではなく、ややもすると意見拡散型の傾向があり、企業に長く所属していた筆者は正直、戸惑っている。自分の立ち位置を上手く表明させることに主眼が置かれているようだ。「成果・意味・対案がなければ言う意味が無い」というロジックで思考していると、なかなかこれがやりにくい。 勿論、正解の出しようが無い(学説の論理的妥当性・状況適応という意味での多数派形成はありうるだろうが)。

 勿論、知識を披露する場ではなく、個々人の思想の披歴、抽象的な議論になっていくので、英語でやり取りするのが段々きつくなってくる。 「目標に至るための議論(経理や工業技術)」であれば、抽象論に走りすぎていても「理解するための具体例の提示」「効果的な結論」を促すように議論をコントロールできる面では楽なのだろうな、と思った。 

 これらの進行スタイルは、日本で想像していたスタイルとはやや異なるものであった。小生は、メソドロジーを共有する必要性は感じていたが、およそ専門外になるであろう分野(例:ジェンダー史)のアプローチまでは学ぶとは想像がつかなかった。どうやら「差別是正」という教育方針が各大学に課せられているらしく、学位を量産する以上は、これらを教育しない訳にもいかないのであろう。

 目下、悔しいのは、議論の中でネイティブが知的レベル的には大した事を言っていないのが判っても、英語でパンパンそれが出てこないもどかしさである。単なる英会話ではなく、英語で議論を戦わせるディベートの訓練を定期的に続けていないとこれはきつい。
 小生も正味3カ月ほど日本でディベート(週2時間)を含むプレセッショナル(週30時間)に通ったが到底足りない(新宿にあるB社のコース)がコスパが良かったのかどうか微妙。

 後を目指す諸兄諸姉に置かれては、留学しようと漠然とでも考えているならば、まずは日本語でも議論をベースとした授業やゼミ、論文課題をこなしておくことを強く勧める。企業でもその経験が議論をリードする上で役立つ。
 その上で、ディベート授業が主体の現地プレセッショナルかファウンデーションに通ってみるのをお勧めする(残念だが小生も現時点では具体的情報を持ち得ていないが、一般の語学学校にはディベートを行うチャンスが無いので注意)。
 英語でのディベートを日本国内で日本人同士でやる場合、議論が受身がちに陥るリスク、議論を続けるタフさ加減に左右されてしまうリスクをどうヘッジするのかが課題だろう (無論、英語レベル差も大きいだろうが)

 長々と書いたが、後に続く皆さんの成功を祈る。
 写真は本文とは全く関係ないがエコな感じの着ぐるみミニカーを発見。
何気ないジョークを街中で発見できるのも、ヨーロッパの魅力なのかもしれない。日本でやると道交法違反になっちゃうのかな?

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(2012/11/06)