2014年8月24日日曜日

ヒッチ続行:スロバキア鉄道駅まで向かう(ハプスブルグの面影を求めて:その16)

なんとかシュンゲン域内に入ったので、バスを乗り継げば今日の目的地コシチェKosiceに着けそうだ。だが、もっと早くつく方法がひらめいた。ヒッチハイクを続行すればいいのだ。
 

ウクライナ国境でのせてくれたバスのドライバーに、地図を見せ国際列車の通るルート上の何処かで降ろしてくれるか聞いてみた。
 
 
「いいよ」と快諾を得たので運が良かった。コーヒーでも飲んで、とチップを渡そうとしたが、「要らない。でも大丈夫」と運ちゃん。実直そうな彼に感謝した。

昔の映画を見ると、主人公が田舎で見知らぬ人の馬車に乗せてもらうシーンがある。

敵対関係になることもあれば、民族を意識しない相互扶助の精神が息づいているのかもしれなかった。

 同じヨーロッパ、100年前までは同じハプスブルグ帝国内、そして第二次大戦中から戦後にかけての混乱期、人々はどの様な交流をしていたのか?  これも気になるテーマだ
 
短いウクライナの空を彼方に眺めながら、バスは国境を後にした。
 

 
キリル文字が消え、建物の作りも変わっていく。そして広告の量が変わり、工場の看板も増えていく。

今やスロバキアは自動車部品業の進出が著しい。この街MICHALOVCEにも矢崎総業やプジョーの看板も見え、部品メーカーの工場もあるようだった。人口は4万人弱

道路もこころなしかウクライナよりは良かった。EUの補助金が投入されているのだろうか。

バスはMICHALOVCEの鉄道駅に着いた。目の前にはバスターミナル。ヨーロッパでは駅は町外れにあるのが定番。鉄道駅と長距離バスターミナルが別々の場所にあるケースもしばしばある。

列車時刻表を調べたら、当初よりも早く到着できそうだった。

客車列車に乗り込み、車窓を楽しみつつコシチェに向かった。
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2014年8月13日水曜日

留学準備(日本の古典的映画を見る 放送大学生は国立近代美術館フィルムセンターは無料)

 大学院留学準備というと、アカデミックイングリッシュ、リサーチメソッドと言う事は当然なのであるが、その前段に、「日本に生まれた意味ないしアイデンティティ」について考えておく必要もある。

 文化的バックグラウンドと言い換えても良いかもしれない。これは現在の流行と完全には一致しない。

 付き合う相手は知的エリートの対象として大学院生を看做す場面もある。今後の人生でも直接、お金を稼ぐことに直結しないが、重要な判断をする際に必要な心構えを持っているに越したことは無い。

 今はやっている音楽、ファッションの知識もあったほうがよいが、同じ位に重要なのは、自国の文化を英語で語る、ないしそこまで行かずとも、要点や勘所、そして英語でのキーワードを知っている事である。

 自分の好きな絵画でも、伝統芸能でも、お祭りでも良いと思う。映画はまとまった時間で情報を吸収できるので効率も良い。勿論、何度でも観て楽しむ事もできる。

 特に1960年代までの日本映画は、古典的題材に巨額が投じられ、当時のトップスター達が演じている作品が沢山ある。

 寮で知り合ったイスラム教徒のインド人は宮本武蔵の「五輪書」に強く関心を示していた! 彼の専攻は商業法ではあったが、東洋の偉人について造詣が深かった。こういった時、何も知らないと語る事が出来ない・・・・


大学院留学を漠然と考え始めていたら、古典的映画を見るのもお勧めだ。


三船敏郎演じる宮本武蔵。
海外では「SAMURAI」として知られている



 特に東京国立近代美術館フィルムセンターは活用しがいがある。映像関係の学部だけでなく、放送大学を含む提携校は「無料」で見られるケースが有る。

http://www.momat.go.jp/fc.html

一般教養を身につけさせる、という放送大学の設立趣旨に相応しい特典だ。

社会人をしながら留学準備を行っている場合でも、放送大学の特典は色々と使い道があるだろう。

(2014/8/13記)

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2014年8月10日日曜日

東欧ビジネス戦記―ある商社マンの記録(冷戦下のチェコスロバキア) 執念とロマン、絶望と再生の記録

 冷戦下、といっても大学院留学を考えている諸兄諸姉の生まれる前の話で、「ベルリンの壁崩壊」などと言ってももはや遠い歴史上の事なのかもしれない。

 その時代の中東欧については、主に現地留学組かジャーナリストによる著作が多いが、日商(現双日)の商社マンが、社会主義体制下で売り込みを賭け、味方になってくれた現地の人々も含め活写した作品だ。

 この著作が「ビジネス絡らみのエッセイ」とも「学者のエッセイ」とも大きく異なるのは、人生の栄光と挫折そして再生の記録である事だ。

 著者は絶好調のさなか難聴となり商社を退職せざるを得なくなり人生の絶望に立たされた折にベルリンの壁が崩壊。かっての「ビジネス戦記」を書く中で本来の自分を取り戻して行く再生の物語でもある。

東欧ビジネス戦記―ある商社マンの記録



 体制は違えども、人間の営み、感情には共通のものが有る事や複雑な各国の民族意識の違いも浮き彫りになっている。

 こういった諸先輩方の知られざる活躍のもと、敗戦後の国際状況下、日本は高度成長を遂げていた事を一人の男の視点から活写している。

 私のブログのタイトルは、大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇 (文春文庫)に影響されて付けた物だが、此方の本も「戦記」である。
 こうした諸先輩方の様に華々しくは無いが、自分の学びの集大成としても自身のブログを死ぬまで書いていきたいと思う。

 そして、「東欧ビジネス戦記」の著書がライフワークとして、著作に登場させた人々の「その後」を現地ルポした続編をWebサイトにアップしているので併せて一読を薦める。



2014年8月5日火曜日

留学準備(パーティーや就活を意識した服・靴は要持参)

 もう、ファウンデーションコースで学ぶ人、9月中旬の入寮の準備をする人、他国からシフトして留学を続ける人、色々な立場の人がいると思いますが、男女とも、パーティーや就活を意識した服は用意しておいた方が何かと良い。

Birkbeckの校舎

 
 服は現地でも仕立てが出来るが、靴は盲点だ。

日本滞在中に履き心地の良くスーツ等に合うものを用意しておこう。女性はヒールを選ぶならば、(1)往復はタクシー等に乗る(2)男性にエスコートしてもらうなど治安面からの考慮も必要。

 以前紹介した、大学の学生寮にいると優先権がある、アン王女御臨席の創立記念式典などに出るのならば、相応の服装が必要な事は理解できると思う。

 ロンドン大学創立記念式典とイギリス陸海空軍に思う(以前の記事)

 ロンドン大学の創立記念式典(公式HP)

 また、就職活動、あるいは教育の一環としての国際機関訪問、政治家とのパーティー等々も場合によっては視野に入るだろう。

 勿論、ここぞといったときのデートやオペラ鑑賞(特にウィーンなど行く場合)、教会のミサ参加など、女性ならばなおの事、服装やバッグ、靴のコーディネートも重要になってくる。

 学業の準備もさることながら、要所要所でイベントに参加できると大学院生活に深みが増すので是非チャレンジして欲しい。

(2014/08/05記)

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2014年8月1日金曜日

国境免税のカラクリ(ハプスブルグの面影を求めて:その15)

 バスはスロバキア側の検問所の手前でUターンし駐車場に停車した。

国境では写真撮影は制約が多い

 バスの客も、国境で一緒にヒッチハイクした兄ちゃんたちも一斉に駆け出して行った。

ウクライナとスロバキアの間には、免税店がある、皆、それがお目当てだった。

    車だけの国境、という事情の一端が読めて来た。歩きでいいなら、近隣から来て混雑してしまうからかもしれなかった。
   さっきの兄ちゃん達は、スロバキアに住んでいるのだろう。


   バスの中は自分独りだった。いつバスが出発するかもよく分からない。 国境線上で取り残されるのは絶対にマズい。

   ドヤドヤと人々が戻ってきた。30分位は居たのであろうか。バスはノロノロとようやく、スロバキア側の検問所に移動した。

 係員が再びパスポートを回収していく。そして全員が降ろされ、X線検査機のある別室に移動した。銃器の密輸を防ぐ為だろうか。麻薬を探す犬たちもいたようだ。

ウクライナ産ビールは持っていたが、本当は免税店でウォッカが欲しかった・・


  列に並ぶと老婆がウォッカの瓶を手渡し「○×△□oooooOOO」と言ってきた。他の人は1本ずつ持っているので、規則を超えて買ってきたものを税金払わないで済まそうとしているようだった。
    「言葉も通じない独りだけいる東洋人に預けるかいな??」と思って英語で、「責任持てないよ」と何回かジェスチャー混じりで断わったら分かったらしく、他の老人に頼んでいた。皆大笑いだった。係員はいないので、まあいいけどユル過ぎる。

スロバキアナンバーのバスでスロバキア国籍の人々は比較的簡単な扱いのようだった。。しかしウクライナナンバーの車では荷物を全部だし、トランク内も開けられ麻薬捜査犬も鋭い目つきで越境者をチェックする

   ドイツの肝いりで国境管理システムが導入されたと聞いている。 シュンゲンエリア外のあらゆるリスクをここでブロックしなければ、EU圏が混乱に陥る。


美しい空には国境は無かった

    しかし、国境とは何だろう、といつも考えさせられる。

    なぜなら、物理的に生まれた距離が違うだけで、同じ民族的ルーツをもっていたとしても法的に持つ権利がことなってしまう可能性があるからだ。

   そんなことを考えながらバスに戻った。

   さて、スロバキア側の国境で接続するバスはきちんと乗れるのだろうか? ある考えが閃いた!(続く)


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