2012年10月14日日曜日

初授業とワインパーティ


  初の授業を階段式教室(Theatre)で受けた。UCLの薬学部の建物の中にあり、シンプルな作りだが恐ろしく急な階段、机に寄付した人のネームプレート、長机が終わる両方の壁際に電源プラグがあるのが特徴的だった。ネームプレートは公園のベンチなどでもよく見られ、‘民活’なのだろうが、落書きを防止する効果もある様だ。 電源プラグはPCを使う時代に対応しているのだろう。日本の大学でも活用できそうなアイデアだがどうだろう。


 最初に、目の不自由な学生代表が登壇、この大学で学ぶメリットと他の生徒に対して協力を要請して始まった。ハンディキャップを全く意識させない堂々としたプレゼンテーションに皆が拍手で応えた。事故等で、ある日突然、視力を失うことがあるかもしれない故に、こういった多様性の確保は必要と思われる。


続いて、図書館の利用案内、各教授の紹介に続いて、当日のレクチャーが始まった。

 レクチャーは「歴史学とは何ぞや、21世紀におけるその役割とは?」というお題。とても早口で聞き取りにくいが、所々でジョークを交えながら進んでいった。「歴史を学んで何になる」という批判は日本でありがち(=年号暗記への批判だと思うが)だが、今世紀における役割というアプローチは新鮮だった。歴史研究は今までも役に立ってきたが、ソーシャルネットワーク等の台頭で個人個人が情報発信出来るという事自体が人類の歴史の中で画期的であり、どう位置付け・活用していくかといった問題提起もなされていた(様に聞こえた)。

 講義の後は、ワインパーティが本部教室の一角で行われた。皆、ほろ酔い加減での自己紹介が始まる。何気に来週からの授業ガイダンスをチューターのドクターがあちこちで話し始めた。なんとかキャッチアップして聞いている間に、他のクラスの人たちは、少しずつ気の合った仲間同士で夜の町に消えていった(か家路に急いだ)。
 
 最後まで残ったのは、サンフランシスコから来たロシア系のAちゃんと、ロンドン出身のN君と三人だったので、大学内のバーに向かい、もうひと飲みすることにした。Aちゃんは売春の歴史を研究するという。 確かにジェンダーに関する歴史の講座もあったが、果たして文献等は有るのだろうか。N君はナチ研究がしたいとの由。聞けば西部戦線に従軍した祖父の家の一室が第二次大戦関連の小部屋になっており、このインパクトが勉強のきっかけとか。酒の強い二人とも話が弾み、いつしか23時5分前、閉店前のドラが鳴り響き我々も帰途についたのであった。 


2012/10/14記

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