2013年6月8日土曜日

マリエンバードの彷徨 

 ボヘミアのドイツ国境に近い、Mariánské Lázně(ドイツ名:マリエンバード)やKarlovy Vary(同:カルロスバード)といった温泉保養地は、王侯貴族や著名人の逗留の場所であった。 

 人々は温泉を飲み、散歩で森林浴をしてリフレッシュをしていたのだろう。 


コロナーダ=飲泉場

川沿いや山に向かって散歩道が広がり、コロナーダが点在する

緑の木々はどこまでも続く 

美しく整備されているホテルの建物

大噴水とコロナーダ

点在するコロナーダは個性的な建築様式である


思い思いの意匠の飲用陶器やペットボトルに汲んで飲む


 資源高騰で沸いたロシアからの観光客がチェコに盛んにやってくる。ロシアによる不動産投機が盛んなようで、ロシア語の宣伝も目立つ。

ロシア語の不動産広告

 チェコにとっては貴重な外貨獲得手段であるから、彼らをむげにはできない。マリエンバード近郊にはロシア各地からの直行便が発着する空港も有る

 日本で言えば軽井沢のような地域でドイツ系住民が多数派だったエリアだ。ノーベル賞作家のギュンター・グラスの所属していた武装親衛隊はこの地でアメリカ軍に降伏している。

 
 1945年以降にドイツ系住民を追放した後はチェコ人が集住、そして今、ロシア人たちが大挙して訪れる。この約70年間で、往来する人々の人種についてはすさまじい変化が起きているのかもしれない。

 山々や建物だけがその変化をじっと見つめているのだ。

 
 散歩道に点在する記念碑にはドイツ系の名が目立つ。 まぎれも無くドイツ系に人々にとってもこころに残っている場所なのだろう。



Heidler, Karl Joseph 温泉医学で有名な学者らしい


 現在では、チェコはEUおよびNATOに加盟しており、対米協力も積極的に行っている。チェコ・アフガンにも派兵している。

 ドイツ等がアメリカの政策に懐疑的な事に対し、チェコのそれは積極的な関与だ。

 ロシアとの国境は無くなったものの、国際情勢いかんで小国の運命は決まるから、アメリカを自国に呼び込んでおく事は重要なのだ。


 このマリエンバードにもパットン将軍の記念碑が有り、解放記念式典が行われていた。

パットン将軍隷下のアメリカ軍が解放



 大国間のバランスを取りながら生きていかねばならない小国の実情を小さな町でも垣間見ることが出来る。

 温泉水を飲むと、心なしか苦み(ビター)と複雑な炭酸系の刺激を感じた。


解放式典にはチアガール達も集結。

こちらは、アメリカ式のスィートエンジェルという所だろうか?

(2013/06/08記)




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