2013年6月15日土曜日

空飛ぶ広報室



 TBSドラマ『空飛ぶ広報室』についての批評が、『Wedgeオンライン』に掲載されていた。



航空自衛隊のバックアップあってのものであろうが、中々楽しめるドラマである。

 無論、多分にデフォルメされており、実際の職場とは異なる部分が多々あるはず。交通事故の結果、飛行資格を失った元パイロットの自衛官、NPOによる自衛隊批判という設定を自衛隊は良く受け入れたものだ、と思う。

 これらの設定がドラマ(小説)としてのリアリティを感じさせるところであろう。

 全体を通して、各キャストが「やたらに泣く」という所はやや食傷気味であるが、自衛隊の存在を肯定否定するに関わらず、組織に関わる大人のエンタテイメントとして一見の価値はあるだろう。

 特に柴田恭平のひょうひょうとした感じが面白いが、彼の昔の役どころ(NHK大河ドラマ)『山河燃ゆ』などにも見られるが、どことなくキザな感じが一貫しているのは面白い。城山三郎原作の「勇者は語らず」などのドラマにも出演していたと最近知った。

 ネットで国境を超え、最新作のドラマが簡単に見られるようになっているのは隔世の感だ(著作権等の課題はあるにしろ、だが)。

 自衛隊自身がよき市民であるとともに、防衛力を市民の為に用いられ続けるように、国民は敬意を持ち協力しつつも指摘すべき事はしていく行く必要がある。旧軍のような形に変質してしまうのはお互いに不幸な結果しか生まないからである。

 恐らく、周辺有事は些細な事からはじまるであろう。正面装備を充実させることも大切だが、周辺国に対する情報収集を怠らない事も重要である。 

 チャンスが有れば中国大陸でやっている抗日ドラマと見比べてみるのも、民度の差を実感する事が出来るだろう(大陸は全てのメディアは検閲されているので、体制批判めいたものは描写されても「殲滅」する対象として、である)。

 また、各国の防衛・国防省の国内向けWebサイトを見ると、その国のおかれた状況・特色がWebデザインに反映されているようだ。

日本防衛省:退職者雇用、キッズコーナーというバナーが目立つ

イギリス国防省:各部門リーダーたちの顔写真入りの紹介が下方に目立つ

ドイツ国防省:これといった特徴が無い。

アメリカ国防総省:意外にも写真よりも文字が多い

中国国防部:万里の長城をトップに掲げる。「夷敵」を排するという「中華思想」の表れか。下方に「最美女・・・」などというバナーも何気にある。

ギリシャ国防相:写真も少なく、極めて簡素。国家破たん寸前で予算が無いのかもしれない。


広報は、国情や各組織の意思を示す。 これまた有力な武装であろう。


 こちらは、MI5の求人広告。

隣接するカレッジ(SOAS)の就職斡旋コーナーに置かれていた


ロンドンとそれ以外の地域だと給与が異なる。物価水準が違うからであろう・・・


(2013/06/15記)


2 件のコメント:

rin さんのコメント...

『空飛ぶ広報室』は結構人気がありますね

載せていただいた各国防衛相のURLを見ましたが、英語圏と中国以外はバイリンガル表記、ドイツに至っては仏語の3か国語表記だったのが意外でした。

こうやって各国の公官庁のWebsite比べっておもしろそうですね。

Erich1970(エリック藤牧) さんのコメント...

 rinさん、コメントありがとうございます。 中国がバイリンガル表記しないのも、一つの戦い方なのかもしれません。

 各国政府・地方政府のWebサイトには、各国文化が投影されていると思います。 同じドイツ国内でも異なるので、比較して見てください。