なんとかシュンゲン域内に入ったので、バスを乗り継げば今日の目的地コシチェKosiceに着けそうだ。だが、もっと早くつく方法がひらめいた。ヒッチハイクを続行すればいいのだ。
ウクライナ国境でのせてくれたバスのドライバーに、地図を見せ国際列車の通るルート上の何処かで降ろしてくれるか聞いてみた。
「いいよ」と快諾を得たので運が良かった。コーヒーでも飲んで、とチップを渡そうとしたが、「要らない。でも大丈夫」と運ちゃん。実直そうな彼に感謝した。
昔の映画を見ると、主人公が田舎で見知らぬ人の馬車に乗せてもらうシーンがある。
敵対関係になることもあれば、民族を意識しない相互扶助の精神が息づいているのかもしれなかった。
同じヨーロッパ、100年前までは同じハプスブルグ帝国内、
短いウクライナの空を彼方に眺めながら、バスは国境を後にした。
キリル文字が消え、建物の作りも変わっていく。そして広告の量が変わり、工場の看板も増えていく。
今やスロバキアは自動車部品業の進出が著しい。この街MICHALOVCEにも矢崎総業やプジョーの看板も見え、部品メーカーの工場もあるようだった。人口は4万人弱
道路もこころなしかウクライナよりは良かった。EUの補助金が投入されているのだろうか。
バスはMICHALOVCEの鉄道駅に着いた。目の前にはバスターミナル。ヨーロッパでは駅は町外れにあるのが定番。鉄道駅と長距離バスターミナルが別々の場所にあるケースもしばしばある。
列車時刻表を調べたら、当初よりも早く到着できそうだった。
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