2013年8月9日金曜日

留学準備(尖閣・竹島・原発・・・国際関係の議論に直面したらどうする?? 準備まとめ編)

ロンドン日本大使館


一般に政治・宗教の話はタブーとされているが、

大学院に行く以上は、TPOを踏まえた上で、冷静な議論を行える事を

前提として、国際関係の専攻以外でも、こういった話も話題に入ってくる。

特に即答しにくい話がトピックに出てくれば、人間関係において

信頼されている可能性を確認する絶好のチャンスである。

自国で原発事故等、大事件が起これば否が応でも政治のトピックにはなるだろう。

 自国の歴史、懸案事項等に関しては、専攻がどうあれ、

英語で説明できる大学院生の方が圧倒的だ。 持論を説明できねば

存在を無視されるからだ。


勿論、避けても構わないが、これが出来ないと

「大人」としては扱ってくれない可能性があるので注意が必要。

ただでさえ、アジア系は若く見られたり、軽んじられる傾向が有る。



ベルリン日本大使館

 
 タブーの多い国家では、懸案に関しての「教育」は

統一した国策に沿って行われている。


 一方で、日本ではほぼタブーが無いが、自民党も民主党も正面から

国論を統一する気が無いから、公立学校では教えようがない。

 従って、自分で勉強するしかない。少なくとも、大学院に行こうとする

資金と時間とチャンスが有るのであれば、政府や教師に頼ることなく

近代史に対する見解はどうあれ、自らの意思で実施する事は可能であろう。


 準備しておかないと、論破され悔しい思いをする可能性すらある。

貴君、貴女は、ヘラヘラ笑って誤魔化すのがベストか?
 

 政治的自由を望む人であれば、語学のレベルが多少低くとも、

きちんとした知見を持っているのであれば、相手も話を聞いてくる。

 そして重要な事は見解が違う場合に「感情と議論を分ける」ことである。

この訓練は日本社会ではとても難しいが重要なスキルである。


 いずれにせよ、特に自国(自分)を語れずに、他国(他人)の事だけを

勉強しているのはとても奇異に思われる。


そういった日本人留学生もいるようだが、誠に残念。

勿論、彼ら彼女達をどうこうするまえに、まず自分自身を磨くことが重要。

留学前に準備できる事を確認しておこう(少なくとも日本語では・・)。

大学院に入った後だと思ったように時間が取れない場合もあるからだ。

<やっておくべきこと>

1.歴史的経緯・公式見解、相手国の主張を日本語では理解する。

2.自分の見解を考えておくこと。

3.シンプルな表現でいいので、必要な英語表現を覚える。

  専門家ではないから、まず自分の言葉で正しく伝えられる事が重要。


  他国の視点を英語で見ておく。見出しの表現は覚えておく

5.世界地図を一冊手許に置き、

  ニュースや会話で出た地名を片っ端からチェック。

  無論、Googleマップでもよいが、周辺の地名を合わせて記憶するには
  地図の方が良い場合もある。


また、外交・軍事に関わる事項に関して、

英語表現の手助けになると思われる公式見解ページをまとめてみた。

中国語等もページによってはあるので、合わせて参考にされたい。


<外務省>

北方領土、南樺太


尖閣列島


竹島

従軍慰安婦関係


経済連携協定(EPA)/自由貿易協定(FTA)

TPP関連(英文が無いものもあり)

知的財産権




<自衛隊>
日本の防衛政策

<日・米・英 軍隊階級表>
http://dictionary.goo.ne.jp/je/hyo1.html

<原子力>
日本原子力規制委員会

IAEA (International Atomic Energy Agency)

IAEA and Japan Host Fukushima Ministerial Conference on Nuclear Safety (Dec 2012) 



<国旗・国歌>

個人の信条はどうあれ、

国旗・国歌を粗末に扱うだけで、相手国(自国)を

侮辱したことと見なされるので注意が必要である。


・各国の国歌が斉唱されるときは起立。

・各国の国旗掲揚時には、起立脱帽・直立不動で国旗に注目

(強制されるものでなく、敬意を払うということ)

・中には日章旗や相手国の国旗を愚弄・焼き討ちする国家・民衆もあるが、

 第三国はその輩を「野蛮・馬鹿」と軽蔑しているのが常である。

 真似してはいけない。

「毅然とその野蛮さを指摘続けるしかない、感情的になったら負けである」


・ちなみに、日本では刑法92条で「外国国章損壊罪」が規定されている。


・仕掛けられないよう(ナメられないよう)に能力を示すことが重要。

 本当に言論戦をしかけるのであれば、周到な準備が重要。

・半島の2国は感情論レベルだが、大陸の政権は日本を良く研究し、長期的

視野に立ち言論戦を展開している(無論、国内の矛盾を反らす意味もあるが

その先を考えているので舐めてはならない)。

いずれにせよ、有効な反撃が出来る様にしておくことが重要である。

 また、個人と国家を分けて考える事も重要だ。どこの国にも、まともな人も

居れば、扇動されやすい人のどちらも居る。

<リガでの発見>

ラトビアの戦争博物館にある日章旗の寄書き

 満州に居た旧日本兵はシベリア抑留、ソ連に併合されたラトビア人エリート層は、
やはりシベリアの労働収容所に送り込まれていた。

 第二次大戦後にシベリアで出会った彼らはお互いの境遇を偲んだ。

 日章旗には武運を祈って寄せ書きが書かれており、
日本兵がラトビア人に手渡したものと思われる。

 ソ連併合前、バルト三国は対ソ連という意味で日本と利害が一致、
ソ連・ドイツ情報を入手していた。
 
 かの杉原千畝も、その文脈でリトアニアに赴任していたのだった。

 彼の国にはそういった歴史も秘められている。



(2013年8月08日 ソ連対日参戦の日に記す)

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